スイッチ製作1 (キーボード改造)
投稿者:マーチン 2018年1月8日
カテゴリ:障碍者全般::iPhone/iPad
カテゴリ:障碍者全般::iPhone/iPad
キーボードのキーでは押しにくいので、外付けスイッチが付けられるように、該当キーに対応する箇所からリード線を引き出して、φ3.5mmのモノラルジャックをつける改造をします。スイッチコントロール以外にも使えるように、アプリでよく使われる4つのキーコードを出力できるようにしました。細かいところに半田付けをする必要があるので、初心者には難しい工作かもしれません。
●何を作るのか
【Amazon】エレコム ワイヤレスキーボード Bluetooth ウルトラスリム パンタグラフ Windows/iOS/Android 対応 ホワイト TK-FBP052WH
【楽天】エレコム/Bluetooth3.0対応 スタンダードキーボード ホワイト
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対応機種:Bluetooth HIDプロファイルに対応したWindowsPC、iPad/iPhone/iPod touch、Macintosh、PlayStation3、一部のAndroid端末
(※iPhone3G、第1・第2世代iPod touchには対応していません。)
このキーボードの4つのキー(Spaceキー、Enterキー、Tabキー、hキー)を外付けスイッチで操作できるように、φ3.5mmのモノラルジャックを付けます。【まほろば】iOS11のスイッチコントロール1 (設定1) にある使い方であれば、Spaceキー、Enterキーの2つだけでもいいです。Tabキーを使う理由は、この連載を最後まで読めばわかります。
この改造で、キーボードはその機能を損なうことなく、普通のキーボードとしても使い続けられます。
さらに、後でキーボードをケースに入れてしまうので、電源のON/OFFができるスライドスイッチも付けました。
市販品よりも自作をしたいという、工作好きの人向けの情報です。スイッチを自作するのが苦手なら、「AbleNet 59870 blue2 Bluetoothスイッチ」や「AirTurn Bluetooth PED」や「iRig BlueTurn」のような、スイッチが付いた機器を選択することをお勧めします。(【まほろば】スイッチインターフェースの市販品)。
●参考資料
以下のページに、とても分かりやすい改造方法が載っていますので、参考にしました。
【Facebook SW救助隊】Bluetoothキーボード(ELECOM TK-FBP052)の改造手順(2017年12月3日)
【Facebook SW救助隊】Bluetoothキーボード(ELECOM TK-FBP052)の改造手順(2017年12月3日)
●特殊ねじ
1カ所のねじで、六角の星形で中央部に突起物がある「いじり止めトルクスねじ」が使用されています。これを外すには、特殊なドライバーが必要です。
「トルクス」という名称は、アキュメント社の登録商標であるため、一般には「ヘックスローブ」と呼ばれているそうです。
【Amazon】コーナンオリジナル LIFELEX Sヘクスローブレンチ 8本組 LFX-20-245
前述の資料には、「T7トルクスねじ」との記述がありましたが、自分が購入した商品は、「T6トルクスねじ」が使われていました。
「トルクス」という名称は、アキュメント社の登録商標であるため、一般には「ヘックスローブ」と呼ばれているそうです。
【Amazon】コーナンオリジナル LIFELEX Sヘクスローブレンチ 8本組 LFX-20-245
前述の資料には、「T7トルクスねじ」との記述がありましたが、自分が購入した商品は、「T6トルクスねじ」が使われていました。
●購入品
メーカー | 品目 | 金額 |
---|---|---|
ELECOM | 【Amazon】ワイヤレスキーボード Bluetooth TK-FBP052 | 1,490円 |
【マルツオンライン】3.5mmモノラルジャック 4個 | 332円 | |
【マルツオンライン】3Pスライドスイッチ | 124円 | |
熱収縮チューブ、リード線 | ||
合計 | 1,946円+α |
●改造手順
(1)6カ所のゴムを外して、+ドライバーでネジを外す。1カ所のトルクスネジを専用のドライバーで外す。
(2)キーボードのフレームに4個の直径約8mmの穴をあける。
(3)φ3.5mmモノラルジャック4個に細めのリード線をはんだ付けし、フレームに開けた穴に固定する。スライドスイッチには、太めのリード線をはんだ付けする。
(4)Spaceキー、Enterキー、Tabキー、hキーの4カ所に相当する端子にリード線をはんだ付けする。
(5)電池ボックスにつながっているリード線を途中で切断し、スライドスイッチに付けたリード線に半田付けをする。キーボードのフレームを、リード線が外に出せるように少し切り欠き、ホットボンドで固定する。
(6)キーボードのフレームを元通りにして、7カ所のネジを締める。
(2)キーボードのフレームに4個の直径約8mmの穴をあける。
(3)φ3.5mmモノラルジャック4個に細めのリード線をはんだ付けし、フレームに開けた穴に固定する。スライドスイッチには、太めのリード線をはんだ付けする。
(4)Spaceキー、Enterキー、Tabキー、hキーの4カ所に相当する端子にリード線をはんだ付けする。
キー | 接続端子 | 接続端子 |
---|---|---|
Space | TP21 | TP6 |
Enter | TP22 | TP2 |
Tab | TP28 | TP17 |
h | TP20 | TP8 |
(5)電池ボックスにつながっているリード線を途中で切断し、スライドスイッチに付けたリード線に半田付けをする。キーボードのフレームを、リード線が外に出せるように少し切り欠き、ホットボンドで固定する。
(6)キーボードのフレームを元通りにして、7カ所のネジを締める。
●動作確認
(1)キーボードの電源を入れ、iPad とBluetooth で接続をする。
(2)iPad のアプリ「メモ」を起動して、4つのスイッチで Space(空白)、Enter(改行)、Tab(4個の空白)、h が入力できることを確認する。
(1-1)iPadで、[設定](歯車アイコン) アプリを起動して、[Bluetooth]をタップして、有効にする。
(1-2)キーボードの電源(本体電源とスライドスイッチの両方)を入れる。[Fn]キーと[ESC]キーを同時に長押しすると、電源SW横のLEDが点滅する。
(1-3)iPadの、その他のデバイスに、”ELECOM TK-FBP052” と表示されたら、それをタップする。
(1-4)画面上に4桁の数字が表示されたら、キーボードでその数字と、Enterキー を押す。
(1-5)”接続済み”と表示されたら、接続完了。
(1-2)キーボードの電源(本体電源とスライドスイッチの両方)を入れる。[Fn]キーと[ESC]キーを同時に長押しすると、電源SW横のLEDが点滅する。
(1-3)iPadの、その他のデバイスに、”ELECOM TK-FBP052” と表示されたら、それをタップする。
(1-4)画面上に4桁の数字が表示されたら、キーボードでその数字と、Enterキー を押す。
(1-5)”接続済み”と表示されたら、接続完了。
(2)iPad のアプリ「メモ」を起動して、4つのスイッチで Space(空白)、Enter(改行)、Tab(4個の空白)、h が入力できることを確認する。
●アレンジ
(2018年1月13日 追記)
「ドロップトーク」や「トーキングエイド」を使う予定のない人にとっては、Tabキーやhキーはあまり使い道がありません。「iBooks」 や 「ComicGlass」 でのページめくりに使える 右矢印キー、左矢印キーの方が利用価値があるかもしれません。使われるアプリに応じて、引き出すキーを決めてください。但し、同じ端子に複数のリード線をはんだ付けするのは難しいです。スイッチコントロールは、Enterキー や Spaceキー に限らず、どのキーにも割り当てることができます。キー | 接続端子 | 接続端子 |
---|---|---|
← | TP21 | TP28 |
→ | TP1 | TP19 |
1 | TP12 | TP17 |
3 | TP11 | TP17 |
◆連載
- 【まほろば】スイッチ製作1 (キーボード改造)
- 【まほろば】スイッチ製作2 (アプリの設定)
- 【まほろば】スイッチ製作3 (4ボタン用と足操作用)
◆関連記事
- 【まほろば】iOS11のスイッチコントロール1 (設定1)
- 【まほろば】iOS11でスイッチコントロール2 (設定2)
- 【まほろば】iOS11のスイッチコントロール3 (使用例1)
- 【まほろば】スイッチインターフェースの市販品
- 【まほろば】iOS7のスイッチコントロール(Bluetoothキーボード)
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