まほろば

3Dプリンタで親指スイッチ製作 その1

投稿者:マーチン  2018年10月28日 
カテゴリ:障碍者全般::3Dプリンタ

 先日の講習会の実践として、親指で操作するスイッチを、3Dプリンタで作ってみました。モデルデータは、AUTODESK TINKERCAD のサイトで公開していますので、DDMです。(どんどんまねしてください)。
 iPad の操作に使う場合は、【まほろば】スイッチインターフェースの使い方(設定変更) を参照ください。

●スイッチ形状と使い方

 いろんな向きに固定でき、壊れにくいスイッチを目指しました。3Dプリンタで積層しやすい形状をと思案した結果、こんな形になりました。

●3Dデータ

 3Dデータの作製は、Autodeskが無償提供するブラウザベースで3Dモデリングツール「TinkerCAD」を使用しました。
 ThumbSwitch-01 (AUTODESK TINKERCAD 公開データ)  
 個人で使うなら改変を含めて自由に使ってください。但し、それをWebサイトや印刷物で紹介するときは、著作者(バリアフリーパソコンサポート「まほろば」)を明記してください。商用で使うことは禁止します。

  

●購入品


●製作方法

(1)出来上がりの3D出力から、サポートやラフトをとります。写真は、材料ABS、クリエイトベース カナヤマ にて出力。

(2)ケーブルを通して、タクタイルスイッチ と モノラルプラグをはんだ付けする。

(3)スイッチの2つの突起を溝に合わせ、スライドさせて止まるところが定位置です。ホットボンドでケースに固定する。
(4)別部品のキャップをはめる。はまらない場合は、やすりで削ってください。
(5)マジックテープを10mm幅にカットして、ケースの穴に通して、柔らかい面の裏側をホットボンドで接着する。

●クリエイトベース カナヤマ

http://www.cre8.nagoya/
 一般利用(2,000円/日)+材料費(20円/1g) が必要です。会員のみ予約可能。初回には、フィラメントの交換などの説明があります。
 フィラメントはABS(色は数種類)、装置は zortrax社の「M200」、ソフトは「Z-SUITE」です。


◆印刷設定

項目設定値備考
SUPPORT ANGLE50°
SUPPORT OFFSETYES
MATERIALZ-ABS
LAYER THICKNESS0.19 mm0.29 なら印刷時間 41分
PRINT QUARITYNORMAL
PATTERNPATT.0
INFILL DENSITY10%
※印刷時間 49分 重量 7g


●カインズ(名古屋堀田店)

カインズ工房
 料金は、フィラメント代込みで1時間700円。予約優先で、Webからは3日前まで可能。機器が空いていれば、使うことはできます。
 フィラメントはPLA(色は黒か白)、装置は XYZプリンティングジャパンの「ダヴィンチ 1.0 Pro 3-in-1」、ソフトは「XYZware」です。


◆印刷設定

項目設定値備考
レイヤ高さ0.3mm
内部充填密度10%
ラフト 底辺5mm
サポート
※印刷時間 約35分(予想時間 26分)

  
  

◆出力結果

 タイプの違う3種類を同時に出力させて、約2時間かかりました。プリンタの機種によるのか、材料(ABSとPLAの違い、PLAの品質)によるものかわかりませんが、表面は凸凹しているし、糸引きやバリが多いのが気になりました。出来ばえは印刷設定の調整で改善できるかもしれません。


(手前:ダヴィンチ 1.0 Pro PLA 奥:zortrax M200 ABS)

●DDM とは
 Direct Digital Manufacturing(ダイレクト・デジタル・マニュファクチュアリング)の略。治具や実用パーツなど機能性を持ったモノを、従来の金型成形や切削加工ではなく3Dプリンターで直接生産する新しい手法のこと。開発や設計、生産のプロセスを短縮するだけでなく、3Dプリンターの特長である設計の自由度を活かすことができ、従来の工法では製作できなかった形状や機能性を備えた新しいモノを生み出すことができる。
 「どんどんまねしてください」という意味はありません。


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