まほろば

micro:bitでおもちゃを動かす 4

投稿者:マーチン  2020年5月23日 
カテゴリ:障碍者全般::micro:bit

 「micro:bit スイッチインターフェース(第2世代)」として紹介した micro:bitとGROVEシールドを組み合わせた構成で、サーボモータを動かすことを再度考えてみました。1個または2個のサーボモータを、GROVEコネクタに接続するためのケーブル変換コネクタを作成し、電源はUSBケーブルからとりました。


●サーボモータとは

 サーボモータとは、位置や速度を制御できるモータのことです。micro:bit や Arduino でよく使われている小型のモータに以下のものがあります。
【Amazon】デジタル・マイクロサーボ SG90
・重量:9g
・外形寸法:22.2x11.8x31mm
・トルク:1.8kgf・cm(4.8V)
・動作速度:0.1秒/60度
・動作電圧:4.8V(~5V)
・温度範囲:0℃~55℃
・制御角:±約90度(180度)
・配線:茶=GND、赤=電源[+]、橙=制御信号 [JRタイプ]
・PWMサイクル:20ms
・制御パルス:0.5ms~2.4ms

【TowerPro】SG90 Analog

 SG90は以下の波形で0.5msで0度、2.4msで180度になるという仕様です。MakeCodeでプログラミングする時には、これを意識する必要はありません。


●micro:bit の電源供給

 【micro:bit】Power Supply より
 エッジコネクタから90mA以上の電力を必要とする場合、例えば小さなモーターを駆動したりする場合には、外部から電力を供給しなければなりません。

 【Qiita】micro:bitの電源供給について に分かりやすく書かれています。

 SG90 を高速に動かすと200mA程度の電流が必要なので、(1) の方法では高速に動かせなかったり、大きな力を出せません。また、乾電池2本で(3)から給電すると、電池が新品のときには2.8Vの電圧がモーターにかかるので、ゆっくりなら動きますが、電池が消耗するにつれて動きが悪くなります。モーターを動かすなら、(4) の方法しかないです。

◆実施例1
 4.8V(充電式ニッケル水素電池4本)からモータに電源供給をして、そこから3.3Vの電圧を作り、micro:bit に供給する。(初心者には難しい)

◆実施例2
 電池2本でPHコネクタからmicro:bitに、電池3本でモーターに電源供給をする。(2系統の電源が必要)
◆実施例3
 Seeed社のGROVEシールドのMicroUSBコネクタから給電すると、常に3.3Vの電圧と十分な電流が供給される。最大トルク(1.8kgf)は出ないものの比較的手軽にサーボモータを動かせる。電源は、AC電源やPCのUSBポートが使える。
 micro:bit にプログラムを書き込むときには、micr:bit のUSBコネクタを使用します。

●構成

 実施例3には、micro:bit と Seeed社のGROVEシールド があればできます。
 「micro:bit スイッチインターフェース(第2世代) 」を使うなら、GROVEシールドにUSBケーブルを挿すための穴を、ケースに追加する必要があります。

●ケーブル変換コネクタの製作

 GROVEシールドにサーボモーターをつなぐためのケーブル変換コネクタを作ります。

◆1個用変換コネクタ
品名個数価格備考
【秋月】ユニバーサル基板(ブレッドボード配線パターンタイプ)90円
【秋月】ピンヘッダ (L型) 1×6 (6P)3ピン10円/2
【マルツ】GROVE - ユニバーサル4ピンコネクター 90°209円/10

(1)L型ピンヘッダーの1つのピンを抜いて、90度回転して挿し直す。さらに、ペンチで90度折り曲げる。

(2)基板に挿してはんだ付けをし、黒色のスペーサーを外す。さらに、GROVEコネクタをはんだ付けする。ケースには、ケーブルを通すための切り欠きを付ける。基板をケースに、ホットボンドまたは両面テープで固定する。

(3)樹脂(硬質カードケース)の上にホットボンドを盛って、その上から基板を押し付ける。ホットボンドが完全に固まる前に、余分な部分をはさみで切り取る。

(4)黒線と茶線が一致する向きにコネクタを挿す。

◆2個用変換コネクタ
品名個数価格備考
【秋月】ユニバーサル基板(ブレッドボード配線パターンタイプ)90円
【秋月】ピンヘッダ 1×40 (40P)7ピン35円*7/40
【マルツ】GROVE - ユニバーサル4ピンコネクター 132円/10

(1)下の写真のように、ユニバーサル基盤にスズメッキ線を配線する。

(2)真ん中のピンを抜いた7ピンのピンヘッダーと、GROVEコネクタをはんだ付けする。ケーブルが通るようにケースに切り欠きを入れる。ケースの底に、ホットボンドか両面テープで基板を固定する。

(3)黒線と茶線が一致する向きにコネクタを挿す。


●電源

(1)乾電池式モバイルバッテリー
  下図右は、Seria で購入。片山利器製。
  電圧5V、電流 約300mA(電源3.0V時)。
  エネループ使用時 電流 約200mA。← 2モーターの同時駆動にはちょっと不足
  【ビックカメラ】モバイルバッテリー [乾電池タイプ] でも買えます。
(2)充電用ACアダプタ
  下図左は、古いデジカメ用の充電器。
  電圧5V、電流550mA
(3)PCのUSBポート
  USB1.1、2.0規格では電流500mA

 ご注意:モバイルバッテリーの多くは、小電流では充電完了と判断してしまうため(?)に、供給をストップします。このため、今回の目的では使用できません。最初は使えていても、数分経つと切れる場合があります。


◆連載
◆関連記事
◆関連サイト